まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day159 アーティスト

今日は、知り合いのアーティストさんの展覧会を見に行きました。久しぶりの美術鑑賞。のぶが死んで、私の心もいったん死んだけど、私の肉体は死んでいなかったので、心は少しずつ蘇る余力があったようです。これまで何を見ても内容が頭に入らなかったり、あまり心が動かなかったけど、それも少しずつ回復しているような気がします。

 

展覧会を見に行く、というのも大きな進歩かもしれない。アートというのは、上質であればあるほど、身も心も疲れるため、体調の悪い時には行けません。歴史あるアートが並んだ、例えばルーヴル美術館など、少し居ただけでヘトヘトになります。でも、定期的にギャラリーに出かけて美術鑑賞するのが、私の本来の姿なのです。

 

その知り合いのアーティストさんは、作品はもちろん素晴らしいけど、人柄がとても素敵な人です。出来ればご本人にお会いして話したいという気持ちもあります。そして私の知人のなかでは、のぶを知っている数少ない人の一人。去年9月にギャラリーでその方と一緒にグループ展を開催した時に休職中ののぶが来てくれて、1時間ほどみんなでお喋りしたのです。そのずっと前の展覧会では、私とのぶの2人の姿を描いてもらったこともあります。のぶと暮らしたマンションの玄関には、その方の描いた小さな絵が飾ってありました。

 

のぶが体調不良で休職していることは事前に少し話していたのですが、その時ののぶはとても楽しげで、以前のように楽しいのぶだったので、私はとてもうれしかったのです。休職中は誰とも雑談をしていなかったので、体調が少しくらい悪くても、外に出かけて誰かとお喋りするのは良い事なのかも、と思いました。

 

のぶの死を知って、その方もすごくビックリしていました。でも、それ以上、過剰に何かを訊いたりもせず、何とも言えない暖かい対応を感じていました。他人の身内の死など、本当に対応に困るものだと思います。どうしたらいいかわからないのが普通だし、人によって感じ方も違うので正解もないでしょうし。でもその方は私にやること(仕事)を紹介してくれたり、多くを語らずともちゃんと私を一人の創作作家として認めてくれているのがとても嬉しいのです。とても些細なことかもしれないけど、こういうのって、自分が生きていて良いんだという小さな支えにもなったりします。


今後もいろいろと仕事面でお世話になると思います。やっぱり人間は一人で生きているのではないのだと思います。