まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

今年の反省

もう反省することはたくさんあり過ぎるので、ここ1年の振り返り。

 

一番大きなイベントは6月のパリ&ロンドンのライブ参加。

ライブそのものは2020年5月に計画されていたものがコロナで延期&リスケで、3年越しで叶ったものだから、感慨深く、本当に行ってよかったと思う。

ただ、自分自身が8年ぶりの海外で、かつ3年ほど感情が死んでいる状態だったので、社会復帰というか、昔の自分に戻すのが大変だったんだと思う。ライブに行きたいのは本心だけど、出発当日まで家から出るのが嫌だった。最初のスケジュール、コロナ前の2020年の時は日本から行く仲間もたくさんいて、みんなで泊れる場所も借りて、楽しく計画してその日を心待ちにした。すべてキャンセルになり、(コロナは世界中の人を殺しまくり、夫は突然死に、25年続けていたお教室の仕事を失い)私はぽつんと羽田空港に立っていた。

 

ライブ以外は、すべてがアウェイに感じた。3年前より3割の円安(つまり物価が3割高い感じ)、これまで欧州で感じることのなかった暑さ、めちゃくちゃ自分の老化を感じ、疲れる、寂しい。暑い。食欲も出ない。行こう/やろうと思ってことを半分くらいしかこなせなかったと思う。

 

ライブだって、今回はこれまでのライブ旅行の中ではあまり運がなかったと思う(これまでが神がかっていたともいえるけど)。ロンドンは4万円以上する高いチケットだったのに、めちゃくちゃ隅っこでステージ全体が見えないとか、パリはあまりにも時差ボケが治らず疲れてしまい、着物も着れず、ホテルで休んでいる時間が長くて出発も遅れ、せっかく高いお金払って会場の近くのホテル取ったのに、最前列に行けなかった(まあ、中央3番目くらいには居たからステージは良く見えたけど)。

 

ちょこちょこ嫌なこともあった。パリに着いた初日に、シャンゼリゼでバスを待っていたら誰かが吐き捨てたガムを踏んずけてしまい、ティッシュで取ろうと思ったら親指の爪を半分剥がしてしまい、流血…手持ちの絆創膏はすぐなくなり、スーパーで700円もする絆創膏を買うことに…。(偶然だけどニールも次の日パリからロンドンへの移動中に親指を怪我して、ロンドンのライブでギター弾き曲がなくなっていた。こんなとこで奇跡の一致しなくていいのに)

 

ロンドンでは借りた部屋(マンション改造のB&B)は1泊5万円もするのに、ロシア人らしきオーナーにまったくわからないロシアなまり英語で電話で怒鳴られまくって、カギを受け取るのに小一時間かかったし。

 

なんか無感情に輪をかけた(それでも、ロンドンのライブで友人たちに会えて最後の方でようやく自分を取り戻すことができたけど)。

 

なんか悔しかった。爽快感より疲労のほうが大きく、1週間くらい立ち直れなかった(ライブを思い出し、しがみながらツアー記を書くくらいしか楽しみがなかった)。

 

もう、海外遠征ライブは無理かもしれないと、ほんとに思った。自信が無くなってしまった。こういうときって、得たものよりも自分の失ったものしか思い出せない。悪い傾向だ。

人間関係のことだけでいえば、夫も失い、教室の仕事も失い生徒は全員離れてしまい、一人ボッチ感が大きかったけど、いま思えば「人間関係が入れ替わった」んだなぁと思う。つまりは自分に必要ない人は去り、そうでない人は留まったり新たに来たり。仕事面は、新しく仲良くしてくれるアーティストさんたちがたくさん出来てとても心強いし、楽しいし、勉強になることがいっぱいある。もう、仕事は詰んだからひとり細々とやっていけばいいやと思っていたけど、今後も積極的に参加していこうと思う。お教室も終わって残念だけど、その分大幅に製作の時間が出来るようになって、悪くないかなと思う。

 

これまで、夫ののぶは私のためにいろいろお祝いはきちんとやってくれていた。結婚式も私は断ったくらいだったけど、せっかくだからやろうって言ってくれたし、毎年の私の誕生日の食事とか、クリスマスのケーキとか、結婚記念日とか、ちゃんと用意してくれていた。でも、もう今後、誕生日や結婚記念日やクリスマスが来るたびにボッチで、のぶを思い出してしまうだけなんだよね。

 

だけど、去年の私の誕生日の数日前に、懐かしい友人から連絡が来た。もう20年くらい会っていないかもしれない古い友人。

彼女は小、中、高校と同じ学校で、高校は毎日一緒に通った近所の子。でもお互い進学や就職や結婚で30年以上は別の場所に住んでいる。20年前に彼女の結婚式に出て以来、たまに近況を聞く程度だったから、長く交流が続いているわけでもなかったんだけど、彼女は私の誕生日(10月)を覚えていた。

 

彼女はのぶの死を知り、隣県からやってきた。2人で私の誕生日を祝った。実は彼女もバツイチになったばかり。子供ももう高校を卒業して成人になり、一人で自分名義の家に住んでいる。ちょっと似た境遇になり、それから次の年のお正月と、今年の私の誕生日に一緒にご飯を食べた。

昔の話に花が咲き、何気にお互いに海外旅行が好きで、私が27年くらい前にパリにいた時に、ふらっと遊びに来たこともある。まあ、彼女はバックパッカーだったので、中東やインドが好きで、私とは旅のスタイルは全然違うけど、そういうことを話しているとお互い20代に戻ったように思う。

 

彼女は現在は公務員なのでそうそう長い休みを取って海外旅行もいけないとは思っていたけど、今年の冬休みはカレンダーの関係でいつもより長い休みが取れるらしい。で、どこに行きたいかせーので言ったら「ドバイ」!

 

ここ30年くらいで急速に変わったとこだよねーと言いながら、「冬休みに行こう!」ということになった。もう、ほんと急に決まった。ついでに、あれほど好きなのに楽しめなかったパリと、27年前にパリから行こうと計画だけして行けなかったモンサンミッシェルにも行くことになった。急に決まったリベンジ。

今年、私の最大の再会案件だったかもしれない。