22日目。怠い
だいたいのやる事が終わりつつ(決まりつつ)あり、嵐のような忙しさが去っていくと、何も出来ないゆえの怠さが襲って来て、何もする気になれない。他人は他人事ゆえにのぶの死を忘れていくだろうけど、私にとってそれは一生忘れられない「いま」も続く出来事だ。
あの日以来、私はのぶに毎日これまでの感謝を言っているけど、本当は10%くらいは謝りたくて、10%くらいは謝ってほしい気持ちだ。
なんで一人で突然行ってしまったのかという気持ち。もちろん何を言っても仕方がないのは承知している。私の気持ちが何処にも届かないだろう事も分かっているけど、言わなければ気持ちの整理がつかない(だからここに書いているようなもの)。
のぶが亡くなって、それを周りの人に伝えるのが辛かった。私ですらのぶの死を見ておらず、部屋の前で倒れているのぶを見つけ救急車を呼んでくれたマンションの住民、救急隊員、警察、運ばれた先でのぶの死を確認した病院の医師などから聴いた話を総合した話でしかない。しかも頭の中が真っ白な時に私一人で聞いたので、今となっては正確かどうかも不明だ。
最初は私の親族(母、姉、近所の叔父叔母)に伝えただけで、お葬式も最少人数での家族葬だった。流石に会社の直属の上司には伝えて参列してもらった。あとは事後報告になるけど、実家の隣の大叔父さん、のぶの従兄弟、のぶの実家の隣の幼馴染、私の仕事関係、友人…。
いずれも伝えるのがとても辛く、皆が聞きたいであろうこと(いつ、何処で、どういう原因でetc…)を私自身の口から語るとそれを自分で聞いて思い出してしまい、どうしようもならなくなる。いつか話せるようになるかもしれないけど、まだ冷静に状況を他人事のように説明できるのは無理だと思う。
事実はひとつだけ、のぶが人生を終えたことだけだ。
そしてこの事実は毎日、自分自身の死のように1分1秒の隙もなく私に突き付けられている。