まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day345 聖子ちゃん

昭和40年代生まれの私にとって、松田聖子はほとんど神であった。

 

好きとか嫌いではない。10代前半の田舎の中学生が初めて見たギラギラ輝く星だった。誰もが聖子ちゃんに平伏していたと思う。もちろんその生身の人間としてのリアリティのなさ、演技とも言われた泣き顔、熱愛、結婚と離婚を繰り返す(そしてそのタイミングで新曲を発表する)計算なのか世界が彼女を中心に回っているかわからない事件の数々さえ、「聖子ちゃんだから」の一言で済まされる存在の強い星だ。今でもそんなに変化していない恒星。特別のファンでない私ですらそう思う。

 

だから聖子ちゃんの娘はどれだけの業を背負って生まれてきたのかと思う。もう35年も前だけど、私はいまだにその子が産まれてきた時の報道を覚えている。

 

神田沙也加さん。居なくなってしまい本当にほんとうに悲しい。

 

神田沙也加さんは超大物の両親の間に生まれたのに、とてつもない努力家だったと言う。聖子ちゃんから歌の才能のDNAを受け継いだだろうに、聖子ちゃんとは全く違うミュージカル女優になった。どれだけもがいたろう。もう「聖子ちゃんの娘」とつける必要はないほどの実力者だった。

 

今日、演技でもない計算でもない、人間の姿で話す葬儀出席後の聖子ちゃんを見た。

 

神田沙也加さんの苦悩を私は全く知らない。真面目ゆえ悩んでしまう人だったのだろうか。私たちの世界からまたひとり、才能が消えてしまった。