まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day207 続続・S氏

たまにムカつくやつに出くわすことがある、自分を棚に上げるが。スルーすればいいのだが、今回はなかなかスルーしにくい案件だ。

1月下旬にやり取りして以来、たまに家賃が送られてくる以外のやり取りはなかったけど、6月が明けた頃、そろそろ義実家に手を付けなければならないと思った。きっかけは、借地代の請求がなかなか来なかったのである。借地の持ち主とは、偶然にのぶの葬儀の日に、義実家の前で会った。その時に、夫が亡くなったので借地代は私が払う旨を伝えてあったけど連絡がない。のぶは確かボーナス時期に半年分払っていたと思う。こちらから連絡し、8月くらいに土地を更地にして返したいこと、その時に借地代は清算することっで合意した(こちらも借地契約書が存在しない)。

その後、S氏に、予定通り解体をすることを知らせ、7月末で賃貸契約終了を告げた。そしたら、何て言ったと思います?

「困ります」

はぁ?お前またそれか?通じるとでも思っているのかよ。訊いたら、何一つ片づけをしていないという。6か月もあったのに。ゴールデンウィークもあったのに。まさかこのコロナ禍で連休に旅行とか行ってないよね?時間たっぷりあったよね?

「お金と時間がないので」

ほら来た!クズはいつも言うことが同じだよ!自分のことしか考えてない人間はたいてい言い訳があいまいで信憑性がないよね。

グイグイ詰めて、それでも詰め切れず、「8月のお盆休みに片づける」「大きい家具家財は置いていく」「家電の法定リサイクル料を払う」ということになった。こう言う奴ってどうせあとからのらりくらりと反故にするに決まっているので、これについては念書に署名するように、こちらがサインするだけのものを書き、ご親切に、切手まで貼った返信用封筒まで同封して送った。それでも催促するまでなかなかポストに投函しなかったけどね。ちなみに念書には、8月15日以降に室内に残されたすべてもののの所有権を放棄する文章も含まれている(この時点で、あとからねちっこく難癖つけて来るのが確実に予想されたからだ。これは司法書士さんの入れ知恵である)。

家具家財は、解体する家屋と一緒に解体業者が持って行ってくれるので、追加費用はほとんどかからない(後に解体業者の数社で現地見積もりを取り、それを了承済みの解体業者にお願いすることになった)。だから、S氏にもそれを伝え、その他の家庭ごみは市の回収で出せるので、極力出した方が良いよとアドバイスした。

が、おかしい。S氏は「要らないものはすべてそっち(私)が処分してくれるんでしょう?自分が払うのは法定リサイクル料だけでいいんですよね?」とのたまう。

は?なんで私があんたのごみ処理代払うの?バカなの?そうならないように退去日までにゴミ片付けろって言ってんだよ。貸している部屋は6畳とキッチン、トイレの狭い部屋だから、それをそっくりそのまま他の貸倉庫なりトランクルームなりに移せばいいじゃないか。後で不用品を捨てるにしても。どうせ退去後は私に払う家賃が浮くんだから、それでどっかトランクルームでも借りろよ。

こいつの自己中っぷりはどうだ。もう確信している。こいつは私を心底バカにしている。のぶが彼を嫌っていた気持ちがわかった。奴はのぶも下に見ていたのだ。私はのぶのためにも闘いたい。

元々契約書がないので、法的に叩いて潰すのが難しい。口約束なんて何の効力もないのだ。LINEの長いやり取りを振り返ってみると、確かに私もあいまいな表現の時があり法的拘束力がどうだろうと思う発言もある(法曹界の人間じゃないからそんなの当然だ)。そのうち、こんなことをLINEしてくるようになった。


「時間とお金が足りないので、8月15日の退去を考え直したい」


ブチッ(キレる)

どうだろうこの自己中の極まった言い分、もちろんこっちは一言も許すなんて言ってないし、なに自分が世界の中心みたいなこと言ってるわけ?バカなの?奴は何とかなると思っているのだ!困っている私をさらに窮地に追い込み、

話をずらし、のぶのこと、義母親のこと、まだ施設にいるS氏の母親のことなどで思い出に浸らせてみる作戦に出た。まあ、私には何の思い入れもない義実家だが、S氏にとっては思い出がいっぱいの実家のはずだ。

ここで私に強力な援護が現れた。解体屋さんだ。もう8月16日から工事の手配をしているはずなので、予定通り進まなくなったら解体屋さんだって困る。そこで、解体屋の社長に電話して相談した。「8月15日に退去しないと言っているんですけど…。」

ここから先は、私は知らない。

なんと社長、ラッキーなことに不動産業も持っていて、弁護士も抱えていて、おまけに強面で男気がある。

解体屋さんに委任状を託し、管理業を委託した。今後どうなるかはわからないけど、おそらく8月16日には工事に着手することは可能だろう(希望含む)。あれだけ仕事に忙しい休みがないと言っていた割には、8月16日は解体に立ち会うから有給を取る(そして難癖をつける?)と息巻いていたS氏、さあ思うようにやるがよい。

いま思えば、私があまちゃんだったというのは否めない。のぶが亡くなったばかりでどうでもよくなっていたときにいろいろな条件で付け込まれたのも原因だ。でもまあ最初から、多少顔なじみの夫の幼馴染に、ファイティングポーズで対応するのもどうかと思うので、こうなったのも仕方がない。とにかく社長に任せるしかない。そしてS氏には、未亡人に付け込んで、1円でも自分で金を出さないようしたことを後悔してほしい。こんなことあんなこと言わなければ…少しでものぶを悼み、私に協力する姿勢を見せていたら、私は心から望んで全額費用を出していたんですよ、たぶん。

勝者はいないけど、S氏の負けな。