まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day171 SNS

私は日付についてそんなに記憶がいい方じゃないけど、1987年6月30日の景色だけは毎年必ず思い出す。34年前か。何か特別な出来事があったわけでもない。その日の夕方私は、当時住んでいたアパートの近く、学校帰りに池袋の西武百貨店に行き、上の方の本屋リブロと、地下のパン屋でパンを買った、その程度のなんでもない行動だ。なのに毎年思い出す。きっと現在の西武池袋店は変わってしまっているだろう(リブロは大好きでサブカル本をたくさん置いてあってかなり影響を受けたと思う。とっくの昔に亡くなっていると思うけど)。

 

私は毎年6月30日になると、「○年前の今日、池袋の西武にいたよ」とのぶに言っていたと思う。ホントにだから何ってことなのだけど、のぶと私はくだらない想い出話ばかりしていたと思う。


のぶは日付の記憶がいい人で「今日はあれをやった日だ」「ワンコを買った日だ」とか、よく言っていた。私は6月30日のことばかりだ。いまはFacebookで毎日、過去の思い出を教えてくれる(もちろん自分で投稿した日のみなので、Facebookをやっているここ10年くらい)。

 

のぶはめんどくさいからと、SNSを一切やっていなくて、何のアカウントも持っていない。のぶのSNS投稿はこの世には何もない。せいぜいYoutubeを見るためののGoogleアカウント程度で、のぶが過去に見た昭和歌謡とか昭和のTVとかクラシック音楽が履歴で残っているくらいだ。唯一、私のアカウントをフォローしていた程度(うちの猫の動画くらいしか投稿していないけど)。

 

ネットの世界にのぶはほとんど存在しない。だから私が存在を書いている。

 

本当に、のぶがこの世に存在していたのか不思議になってきた。SNSって、FACEBOOKにしろTwitterにしろインスタにしろ、くだらないけど愛しくて面白い。その人そのものだ。それがのぶにはないので、私にとってのぶは自分が見たままの人としてしかわからない。怖いけど裏のぶをちょっとだけ見てみたかったな。もっともっとどんな人かを知りたかった。私と知り合う前の過去ののぶのエピソードを訊いてみたかった。旅行の話ももっと訊きたかった。ヤマハのオートバイで北海道に言った話も、北海道に一緒に行って訊きたかったな。