まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day55 元目町

 元浜町から1ブロック南(駅寄り)にある元目町。

浜松城の玄黙口(お城の北側の玄関)にあったのが地名の由来。なのでお城も近く、市役所の元目分庁舎もあるので、ランチが美味しいお店も点在しています。

(余談ですが、玄黙口といえば、2017年大河ドラマ「おんな城主直虎」で、浜松城徳川家康に仕えることになった万千代(菅田将暉)が北の玄関番として草履を投げる練習をしていたところです。)

たぶんのぶと私が最も頻繁に通った洋食屋さんが元目町のキッチン泉。歩いて10分くらいというのは、ちょうどいい腹ごなしなのです。

 

 

 日替わりランチは700円(私はいつもご飯少な目リクエストで650円)でめちゃくちゃ高いクオリティ。11月から3月までは、浜名湖産カキフライセットが1300円で、冬は必ずこれでした。カキフライ大好きだけど、このお店で食べたらもう他では食べられなくなって、絶対ここでした。このお店でカキフライの提供が終わったら、次の季節までカキフライは食べなかったくらい。衣カリカリで中はジュワジュワ、もちろんナマじゃなくちゃんとは通っているけどめちゃクリーミー。秋から冬に、そして年を越すとどんどん粒が大きくなる浜名湖の牡蠣。浜名湖の牡蠣はあまりたくさん養殖していないので、たぶん浜松以外では食べられないと思います。ぜひ、冬に浜松に来たらここでカキフライ食べてください。


(ほんとまた余談ですが、キッチン泉のある場所は、江戸時代は家康の家臣・松下家のお屋敷でした。松下家は万千代の養子先で、「直虎」では養父を古館寛治さんが演じてました。そしてキッチン泉のおじさんのお名前は松下さんです。)

 

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以前にも書きましたが、毎週土曜日は、ほとんど毎週のぶと私はキッチン泉にランチを食べに行っていました。のぶが亡くなる前日の1月9日、のぶは体調が悪くて午前中に家で寝ていたのですが、昼前に起きてきて「キッチン泉に行く?」と私に訊いてきました。

のぶの体調が悪そうだったので、私は「出かけるのは無理そう、家で何か作る」と言って、キッチン泉には行きませんでした。本当に、最後まで、のぶは私のこと優先させていました(私ものぶの体調を優先させましたが)。悔やんでも仕方ないけど、1月9日に戻れたら…せめて1月9日の私に忠告出来たら、と思います。

その役1週間後、1月15日に、私は役所の手続きで浜松を訪れ、キッチン泉に行って、あの時食べ損ねたカキフライを食べました。今季はこれが最後だったでしょう。どうしてもお礼が伝えたくて、馴染みのおじさんに、引っ越すことを伝えました。のぶが亡くなったことは伝えられなかったけど…もう2人で来ることはできないけど、またいつか絶対来ますと伝えました。

キッチン泉のある通り(二俣街道)は、片側1車線の広くはない通りだけど、古くからある道路です。商店街とまではいかないけど、そこそこお店も多く、昭和初期の地図に載っているお店もまだあります。

キッチン泉の少し北のロサン・アジアン・キッチン(旧名エベレスト)も良く行ったお店です。ネパール系のカレー屋さんです。お店は昔お寿司屋さんだったところを居抜きでつかっているので、和風の佇まいにエキゾチックな雰囲気と音楽がちょっと不思議です。




とにかく安くておいしい。以前ランチは550円だったけど、さすがに650円くらいになりました。どれを食べても美味しいし、ナンはお代わり自由だったと思います。ちなみに店主ご夫婦が私たちと同じマンションに住んでおりまして、とても親切にしてもらいました(私が親切にしなきゃならなかったのに)。もっと頻繁に行きたかったです。

元目庁舎の近く、メルカート・ディ・マーレもたまに行きました。イタリアンです。



ランチはパスタなどが中心。魚市場の名の通り魚料理が美味しいです。特に、魚介のリゾットはものすごく美味しくて、ない時もあるので、メニューにあるときは絶対注文します。

元目町を南に行けば浜松駅、西に行くと浜松東照宮(旧曳馬城)と浜松城です。