day442 わからないけど
のぶに対してはめちゃくちゃたくさんの感情があって、日々変わるものでもあるのだけど、ほとんどが感謝だったり寂しい気持ち、悼む気持ち、懐かしむ気持ち、ポジティブだと思う。
だからといってネガティブな気持ちが無いこともない。(家族を突然亡くした人にはこれは正常なことらしい)
のぶは心の病があったのだけど、私も自分なりに調べたり話を聞いたりして理解しようとした。
でも、のぶは恵まれていた人だと思う。少なくとも環境的には。私も(のぶがどう受け止めていたかはわからないけど)、一生懸命に寄り添ったつもりだった。職場だってきちんとしたシステムで休職と復帰の決め事があってそれに従っていた。問題なのはのぶの心に何が起きたのか、わたしには全くわからなかった。
わかりたかったけど、のぶはあまり話さない人で、無理に話させるのはまた負担になるだろうと、あまり問わなかった。私はほとんど何も知らなかった。察するしか無かった。何をすれば何をし無かったら良かったのか悪かったのかわからない。永遠にわからない。
これまでに出会った人の中で、のぶ以外にも心を患っていた人は知っていた。記号的にはみな、幸せそうだった。生活出来ないほど困窮している人はいなかったと思う。何故だろう。貧困国のうつ病患者は少ないと言うし、物質が豊かになれば何かが失われるのだろうか?