day257 おきあがりこぼし
1月の寒い時にのぶが逝って、暖かくなるまでは記憶があまりない。
表ではやる事が多くて忙殺され、裏では一人で泣いていた。
3月くらいから、自分のこれからの仕事や生活の事を考え始めポツポツと出来る仕事を再開した。その頃、展覧会出品の話をいただいた。
これまで出品したことのないお店の企画展(お店のオーナーさんとは面識があったけど)。たぶん、私を心配したアーティスト仲間の方が推薦してくれたんだと思う。
作品は猫のおきあがりこぼし。コロナで暗くなった日本を復活させたいという意図もあって。もちろん自分を起き上がらせたい気持ちもあって。
出品者みな同じ木の素体のおきあがりこぼしに色を付けたら造形をして販売する。
展示会は秋だから半年ほどの時間がある。3月頃はまだ製作が思うように出来なかったので、取り掛かったのは5月頃。のぶが逝って初めての作品。納品して、来月いよいよ展覧会だ。
真ん中が私の作った猫
DMハガキが出来上がって見ると、その猫のおきあがりこぼしはのぶに似ている。
ちょっと微笑んでこっちを見ていてくれる。いつも私や私の仕事を見守っていてくれた。
残念ながら作品はもう私のものではないのでここにはいないけど、きっとこれからものぶは私の作品に面影を残してくれるのかもしれない。