まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day218 Numb

私の押しのPSBが歌った曲の中には、死をテーマにした曲が何曲かある。そのなかで、珍しくPSB自身が作った曲ではなく、アメリカのヒットメイカー、Diane Warrenの書下ろしの「Numb」という曲がある。

Numbというのは虚無、無感覚、という意味。

この曲はDianeの母親が亡くなった際のことを思い出して書かれたという。愛する家族の死を受けて、「無感覚になりたい」と歌っている。何も知りたくない、見たくない、感じたくない。世の中に数多くの歌があるけど、「Numb=無」というのが、今回の私のケースの感覚に最も近い。

何を見ても五官が鈍くなり、何を見ても聞いても食べても感じなく、眠るのも苦痛だった。さすがにいまは、のぶの死から時間が経つにつれだんだん戻っては来たものの、やはり何割かは無感覚だ。

ただ、のぶが亡くなってから、まだこの曲を聴いていない。頭の中で再生されるだけだ。

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ちなみに「Numb」のシングル・ジャケットは、ロンドンにあるJerusalem Tavernで撮られている。2人がペストの時に使ったマスクをかぶっていて、死をイメージさせる。

www.tripadvisor.jp

 

youtu.be

 

ずっと脳内でNumbが再生されていたのだけど、毎日、般若心経を写経していて、毎日、「南無」という言葉を唱えている。

 

音は同じだ。

 

般若心経を一言でいえば、「無」。

 

(本来「南無」は呼びかけの意味で、「無」という意味そのものではないけど)

 

私はただただ、無を生きているんだろうな。

 

人間が考えた救い…例えば、死んだ人はいつもそばにいるとか、お盆に帰ってくるとか、天国に行くとか地獄に行くとか、守護神になるとか…は、すべて私にはピンとこない。のぶは彼の希望通り、無になったとしか思えない。

 

それはおそらく良い事なんだと思う。のぶにとっては。

 

私は今後も「無」を感じていくしかない。「無」だから、感じることすらないのだけど。