まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

day 196 おだんご

実際にのぶの使っていたスマホやキーケース、数少ない遺品を見ているよりも、私が一番虚無感に襲われるのが、普段の買い物だと思った。

 

買い物と食事を作るのは家で仕事をする私の仕事だったのだけど、食事は私ひとりなら残りものでも何でもいい。結局ちゃんとした食事を作るのはのぶのためだったと思う。

 

今日何食べたいかな、社食の昼ごはんと被らないのがいいな、など、考えながら買い物した。スーパーによって食材の値引きをする時間がだいたい決まっているから、なるべく食費を抑えるように特売品や消費期限の迫った値引きされたものを効率よく買って…。

 

高齢の母が元気なのはまだ自分で食事を作れるからだと思う。料理は段取りが必要なのでけっこう頭を使う。やっぱり考える事は脳の刺激になるし、食事は健康の基本だ。

 

私たちが入籍した頃に、ちょうど朝ドラで「ごちそうさん」が放送されていた。東京から大阪に嫁いだ女性が、毎日の食事を作るドラマだ。彼女は食に対する情熱が大きい。料理に化学や数学を応用したり、戦時中でものがなければ「しまつ」した食事も作る。そう言う工夫はなんとなく自分にもリンクした。(主演女優と俳優は実生活でも結婚して離婚してしまったけど)。

 

たくさん食べてほしくて、ついつい食事をたくさん作り過ぎたようで、結婚してからのぶの体重は増えたと言われた。でも食事が美味しいのは健康だし良い事だよね、と後になって思う。もう誰かのために、のぶのために食事を作らなくていいと思うと、いっそう寂しさが増す。

 

のぶが好きな三色だんご(花見だんご)をスーパーで見かけた。ありふれたものだけど、たまに買っていくと喜んだな。おだんご1本くらいのちょっとしたスイーツ、このくらいが私たちのささやかな幸せだったんだな。

 

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そこにいないのはわかっているけど、仏壇に供えちゃうよね。