36日目。優しさ
雨。暖かい。そういえばのぶのお通夜に日は雨で、のぶが亡くなった日からお葬式が終わるまで凄く寒かった。1ヶ月経ったら暖かくなった。私の心は止まったままだけど、季節は進む。当たり前だけどどんどん暖かくなって、あと半年したら猛暑にもなるだろう。そういえば去年の夏のある日、浜松は日本一暑い街になった。
浜松は大好きな街だ。実父が高校までいた街だからそれなりに縁がある。程よく街で程よく田舎、海も山も湖もあって、自然も豊か。美味しいものもたくさんある。大抵のものはこの街でじゅうぶん揃う。とても暮らしやすい街だ。
でも一番素晴らしいのは、人の優しさだろう。みんな本当に優しい。普段は気にしなかったけど、こうして浜松を後にすると、優しくしてもらった思い出ばかり出てくる。特にのぶを亡くした後の私は、パニックになりながらも色々な事をこなさなくてはならなかったけど、かなり色んな人に助けてもらったと思う。
「仕事、業務だから」という基本があったとは思うけど、絶対それだけじゃない。仕事上であっても、優しい人とそうじゃない人の差は分かる。中には仕事を超えて手伝ってくれた人もいる。こんなに優しくしてくれるんだ、と思った。
のぶは生粋の浜松っ子で、とても優しい人だった。みな、のぶの優しさがまわり回って私に帰ってきたのかな?と思うくらい。私ものぶの遺志を継いで、優しい人間になろうと誓っています。
のぶがいなくなってからの私はもう「余生」に入っていると思う。余生は他のために生きたい。