まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

30日目。パン

10年前、2011年8月に私はのぶと出会った。

 

最初はネットの掲示板的なもので、私が「プリンターが壊れたけど何か良い機種知っていますか?」と言うような他愛もない質問に、結構きっちり答えをくれたのがのぶだった。

 

お互い静岡県民だったので親近感が湧いて、何度かメールを交わし(愛犬ラブちゃんの誕生日にシャンプーして可愛くリボンをつけた写真を送ってくれたりした)、なんか真面目で穏やかな人だなーと思ってて、そのうち今度お茶しようかとなった。

 

初めて待ち合わせして会ったのは、うちの近くの街道沿いのコメダ珈琲店

 

当時私はパンやケーキを作るのに凝っていて、色んな人にいつもお裾分けしていたのだけど、その日もパンを焼いていて、ちょっとお裾分けしようと思いいくつか持っていった(あまりいい出会いでなかったら渡さずに持って帰ればいいやと軽い気持ちで)。おしゃべりした結果、パンをあげてその日は帰ってきた。

 

その後も付き合いは続き、中距離恋愛を経て同居。同居してからも私はちょくちょくパンやケーキを作ってきた。

 

結婚してだいぶ経ってから、あの時、初対面の時にパンをもらったことがすごく嬉しかったと言われた。こんなもの作れるんだ〜と感心したとも。

 

初対面で手作り物をあげるのって、リスキーでもありますよね。気持ち悪がられる可能性もある。他人が作ったもの(おにぎりとか)を食べられないタイプの人もいる。でものぶが気にしないどころか感動するタイプの人で助かった(それを何年も言わなかったタイプでもある)。

 

その後も、パンやスイーツ、もちろん日々の料理もできるだけちゃんと作ってきた。いつもおいしいと言って食べてくれた。最後に作ったスイーツは、1月6日、フランスの公現祭で食べるガレット・デ・ロワだった。もちろん美味しいと食べてくれた。

 

それ以来しばらくパンやスイーツは作ってなかってけど、今日の朝に供えるためのパン(ブリオッシュ・ア・テット)を昨夜作った。

 

きっといつものように美味しかったと言ってくれるだろう。

 

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