まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

14日目。ラブちゃん

今日も冷たい雨。引き続きアトリエの断捨離。

 

16年前、2004年にのぶがペット店で購入したミニチュアダックスの女の子、ラブちゃんというワンコがいる。当時実家でのぶは母親と2人暮らしで、必然的にいつも家にいる義母が飼っていたようなものだった。2012年にのぶが家を出て、実家は義母とワンコの2人暮らしになったけど、2015年末に義母が亡くなり、ひとりになったラブちゃんをどうするか話し合った。

 

私はマンションで猫たちと一緒に飼おうと言ったけど、ラブちゃんは猫が嫌い、マンションも犬猫合わせて3匹同時に飼うのは無理だということで、結局、ラブちゃんは実家で一人暮らしを続け、のぶが朝晩出勤時に実家に寄ってご飯と散歩をすることになった(実家はマンションから徒歩3分で、のぶは実家に車を駐車していたからさほど苦労はなかった)。

 

それから5年、ラブちゃんは16歳半のシニア犬になった。そして2度めの飼い主を失った。

 

のぶが亡くなった1月10日、私が警察から連絡をもらってまず最初にラブちゃんのことを思った。お腹空かしているんじゃないのか?と。おそらく10日の朝はのぶがご飯をあげに行っていると思う。夕方には警察の立ち合いを終えて義実家に行き、ラブちゃんの無事を確認してご飯を多めにあげた。

 

とりあえずラブちゃんを何処かに預けないと。たまたま葬儀社の従業員の方がペットホテルを知っていて紹介してくれた。一時的にはなんとかなる。その後はどうしようか。

 

ラブちゃんは老犬だし、病気ではないけど年相応に弱っている。環境が変わるのは避けたいけど、もう義実家でひとり暮らしは無理。犬を飼っていたことのある友人知人、ペットのボランティアやってる人、いろいろ聞いたけど分からずにとにかくネットで検索しまくった。

 

私は生まれてこの方、犬を飼った事はなく、とても可愛いと思うのにどうやら犬アレルギーがあって、痒いというか頭痛がしてしまう。飼い方もわからないし、老犬をどうやってケアして良いのか全く分からず途方に暮れてしまった。

 

私は喪主なので、葬儀が終わるまでやることが山ほどあったけど、ラブちゃんの命に関わることだから早く決めたかったし、行く末が心配でならなかった。結局、老犬ケアの相談所を見つけて電話して、良さそうな老犬ケアホームを紹介してもらった。

 

浜松から車で1時間ほどのところに、地元の獣医さんがやっている老犬ケアホームがあり、電話でお話ししたところとても親身になってくれ、この先生なら託してもいいと思い、入所をお願いすることになった。素人が引き取るよりプロの完全看護の方が安心できる。入所のお金はのぶの通帳から支払い、あくまでものぶが飼い主として最後の仕事をした。

 

のぶの葬儀の2日後、1月15日金曜日、預けていたペットホテルから老犬ホームに移動。そこは山に近い田舎でわんちゃんがのびのび暮らせる広い敷地で、ドッグランもあり、動物診療所の敷地内の完全看護、理想的な環境だと思う。本当に入所させて良いのかいろいろ葛藤はあったけど、良かったと思いたい。のぶに逐一報告はしていたから、きっとうまく行くと思う。

 

入所後、ホームの先生はラブちゃんの様子を知らせる電話をくれた。丁寧だし、信頼できると思う。悲しいけどなんらかの理由で手放すこともあり得てしまう。最期まで飼うのが飼い主の務めだけど、飼い主が先に亡くなってしまうケースだって多いはず。そういう受け皿はまだまだ少ないようです。本当にボランティアに近い仕事だと思う。

 

入所して10日ほど後、先生から電話があった。ラブちゃんが体調を崩していると。心配だったけど、先生に治療はお任せした。

 

そして昨日、再度の電話。かなり体調が悪化し、救命処置をしていると。私は祈るしか出来なかった。

 

そして今日、点滴や心臓マッサージとか頑張ったけど無理だったと、連絡があった。

 

残念だけど、先生やスタッフには最期を看取ってくれて感謝しています。平均寿命は大きく超えていたし、義母とのぶ、2人の飼い主の元に行きたかったんだと思う。

 

私も後悔の気持ちが無いわけではないけど、素人の私では治療はどうにも出来なかったし、寿命を超えて生かす事は難しかったと思う。辛いけど、最善を尽くした結果だと思う。

 

ラブちゃんは今頃、のぶに抱っこされていると思う。いつまでも幸せに。