まごころのぶ

2021年1月10日に急逝した愛する「のぶ」の生きた足跡です

11日目。強欲

今日は仕事場アトリエ。午前中はいろいろな解約と変更の手続きが中心。午後はアトリエの断捨離。マンションからはあまり私物は持って来ない(ほとんど処分)の予定だけど、狭いアトリエにこれ以上置く場所がないので、少しモノを減らしたい。

 

つくづく自分は強欲だな。のぶがいなくなってしばらくは2人のマンションに入れなかった。喪失感。ここで亡くなったのぶの携帯やメガネがそのままの場所にある。

 

自宅で亡くなったため、救急車で搬送後に警察が5人ほど入り、私は一人で見分に立ち会った。この時点では、私はのぶを殺した犯人かもしれない(担当が一課の強殺担当の刑事だった)。当然ながら警察は事務的でテキパキと写真を撮り、私にいろいろ訊く。辛いよりも頭が真っ白であまり良く覚えてない。事件性がないと判断後、ようやく私は病院に面会(もう亡くなっていたけど)に行くことを許された。さっきまで厳しい顔をしていた担当刑事が、とても気を遣って私に声をかけてくれた。慣れてはいるんだろうけど、刑事だって人間だしね。

 

それ以来、マンションに入るのはイヤで、マンションにあるものを要るものといらないものにより分けるのもつらくて、葬儀屋から遺品整理の業者を紹介されたので、見ないで全部処分しようと思っていた。

 

でも私の仕事の道具や材料は新たに買い揃えることが難しい物が多い。仕事道具は持って来ないとならない。

 

自分で買った生活用品のアレやコレもいるかな、とか考えていると、どんどん強欲になっていく。のぶはもう使わないけど、私は使うんだよね…。ああ、強欲だな。喪失感より勝つのか強欲が。強欲な人は死なない。私はまだ生きるんだろうな。

 

なくなくも良い方をとる形見分け

 

って句を思い出した。

 

(のぶの相続人は私ひとりなので、なにを貰っても許されるのだけど)

 

来週のマンション引っ越し日には冷静な姉に立ち会ってもらって、アトリエに持ってくるものと捨てるものを判断してもらう予定。